腰痛とひとことで言っても、痛みが出る動きは人によって異なります。
今回の「健康カプセル!ゲンキの時間」では、腰痛のタイプを、
身体を前に曲げたときに痛みが出やすい「前屈時痛型」と、
身体を後ろに反らしたときに痛みが出やすい「後屈時痛型」
に分けて紹介していました。
この2つは、どちらも「腰が痛い」という症状は同じでも、腰に負担がかかる身体の使い方が異なります。
前に曲げると痛い「前屈時痛型」
前屈時痛型は、床の物を拾う、靴下を履く、洗顔をするなど、身体を前に曲げたときに腰が痛みやすいタイプです。
番組では、その要因のひとつとして太ももの裏側の硬さが紹介されていました。
本来、身体を前に曲げるときには、腰だけが曲がるのではありません。
股関節が曲がり、それに合わせて骨盤も前へ傾きながら、身体全体で動きをつくります。
ところが、太ももの裏側にあるハムストリングスなどが硬くなっていると、骨盤がスムーズに前へ傾きにくくなることがあります。
すると、
股関節や骨盤が十分に動かない
→ 腰を大きく曲げて代わりに動く
→ 腰に負担が集中する
という身体の使い方になりやすくなります。
例えば床に落ちた物を拾うとき、股関節を使わずに腰から一気に身体を折り曲げるような動作を繰り返していると、腰への負担が大きくなってしまいます。
反らすと痛い「後屈時痛型」
一方、後屈時痛型は、身体を後ろへ反らしたときや、高い場所に手を伸ばしたとき、長時間立っているときなどに腰の痛みが出やすいタイプです。
番組では、このタイプでは骨盤が前に傾いた「反り腰」の姿勢になっているケースがあることも紹介されていました。
身体を後ろへ反らす動作も、本来は腰だけで行うものではありません。
胸のあたりにある胸椎が動き、股関節が伸び、それに骨盤の動きが加わることで、身体全体で後ろへ反ることができます。
ところが、胸椎や股関節が硬くなっていると、その動きを腰が補おうとします。
さらに、太ももの前側が硬くなっていると、骨盤や股関節の動きが制限され、腰を強く反らせるような身体の使い方になりやすくなります。
その結果、
胸椎や股関節が十分に動かない
→ 骨盤が前に傾きやすくなる
→ 腰だけを大きく反らす
→ 腰への負担が増える
という状態につながることがあります。
特に立ち仕事が多い方や、普段から反り腰の姿勢になりやすい方は、腰だけで身体を支えたり、反らしたりしていないか確認してみることが大切です。
大切なのは「どの動きで腰に負担がかかっているか」
ここで注意したいのは、
前屈すると痛い=必ず太ももの裏が原因
反らすと痛い=必ず反り腰や太ももの前が原因
というわけではないことです。
腰痛は、筋肉の柔軟性だけでなく、胸椎や股関節の動き、骨盤の傾き、姿勢、筋力、仕事や生活で繰り返している動作など、さまざまな要因が重なって起こることがあります。
藤接骨院でも、「腰が痛いから腰を見る」だけではなく、
前に曲げたときに痛いのか、後ろに反らしたときに痛いのか。
そのとき胸椎・股関節・骨盤がどのように動いているのか。
といった身体全体の動きを確認することを大切にしています。
同じ「腰痛」でも、負担がかかっている理由が違えば、身体の整え方やセルフケアの考え方も変わります。
だからこそ、腰痛を繰り返している方は、痛い場所だけではなく、「なぜ腰に負担が集まっているのか」まで考えることが重要です。